2013/11/10

第21回衛星設計コンテスト 最終審査会 受賞結果

2013119日(土)、神奈川県にある相模原市立博物館にて第21回衛星設計コンテスト最終審査会が開催されました。

47作品(設計の部8作品、アイデアの部23作品、ジュニアの部16作品)の応募の中から一次審査を勝ち抜いた16作品(設計の部4作品、アイデアの部6作品、ジュニアの部6作品)が壇上発表形式で審査に臨みました。

審査の結果、以下の通り受賞作品が決定いたしました。


設計大賞
National Cheng Kung University(台湾國立成功大學)
Atmosphere-Ionosphere Coupling Explorer(AICE)
(設計の部)


アイデア大賞
立命館大学大学院
月面砂掘削機「月面潜行体1号」
(アイデアの部)


ジュニア大賞
長崎県立長崎西高等学校
お家で簡単 無重力農園
(ジュニアの部)


日本機械学会 宇宙工学部門一般表彰 スペースフロンティア
群馬工業高等専門学校
太陽炉を用いた火星での製鐵
(アイデアの部)


日本航空宇宙学会賞
東京学芸大学ほか
地震先行電離圏異常検証衛星
(設計の部)


電子情報通信学会賞
電気通信大学
地上電波利用電離圏リモートセンシング衛星
(アイデアの部)

 

地球電磁気・惑星圏学会賞
東海大学大学院
地球周辺磁場マップ作成衛星「Pyxis
(設計の部)

日本天文学会賞
日本大学
軌道上微粒子サンプルリターン衛星「BALAENA
(設計の部)


宇宙科学振興会賞(ジョイント受賞)
長野県長野工業高等学校
全国の高校生でつくる小型人工衛星システム
(ジュニアの部)

長崎県立長崎西高等学校
高校生が共同利用できる小型通信衛星
(ジュニアの部)


日本宇宙フォーラム賞
山口県立山口高等学校
重力から解き放たれた宇宙での思考
(ジュニアの部)


奨励賞
摂南大学
無重力下の噴水で癒し空間
(アイデアの部)

高知工業高等専門学校
木星電波観測システムLIMITLESS
(アイデアの部)

東京都市大学
姿勢制御回復衛星「てだすけ」
(アイデアの部)


ジュニア部門奨励賞
茗溪学園高等学校
災害時用FMラジオ衛星
(ジュニアの部)

山口県立山口高等学校
花咲く人工衛星
(ジュニアの部)

最優秀模型賞
日本大学
軌道上微粒子サンプルリターン衛星「BALAENA
(設計の部)


受賞された皆さん、おめでとうございました。


受賞作品の概要や当日の様子は11月中に衛星設計コンテストホームページにて公開予定です。

2013/06/26

大学衛星いろいろ



コンニチワ!事務局Eです。Twitterに宣言した通り、ブログを更新します。
本当は別に書きたいことがあって記事を書きためていたのですが、悩んだ末に闇に葬りました。そぉい!

さてさて、事前に告知していた「大学衛星」というテーマですが、今回の記事では衛星設計コンテストへの応募を経て現在衛星の開発に取り組んでいる研究室や現在開発中の大学衛星開発プロジェクトをご紹介したいと思います。(順不同)

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首都大学東京
システムデザイン学部 航空宇宙システム工学コース 宇宙システム研究室
指導教員:佐原 宏典 准教授

17回衛星設計コンテスト 地球電磁気・地球惑星圏学会賞、日本天文学会賞 受賞
太陽偏光分光観測衛星「FLARE
受賞作品解析書→http://satcon.jp/history/prize17/pdf/syutodai.pdfPDF
18回衛星設計コンテスト 設計大賞、日本天文学会賞、最優秀模型賞 受賞
バイナリブラックホール探査衛星「ORBIS
受賞作品解析書→http://satcon.jp/history/prize18/pdf/18_01.pdfPDF

コンテスト実行委員をお務めいただいている佐原先生の研究室。
コンテストへの応募を経て、現在は超小型衛星「ORBIS」の開発を行っています。CanSat製作にも取り組んでおり、精力的に活動されています。

首都大学東京システムデザイン学部/大学院システムデザイン研究科 http://www.sd.tmu.ac.jp/


九州大学
IDEA Project

19回衛星設計コンテスト 日本機械学会宇宙工学部門表彰フロンティアの部 受賞
微小デブリ環境モニタリング IDEA: In-situ Debris Environmental Awareness
受賞作品解析書→http://satcon.jp/history/prize19/pdf/19_04.pdfPDF

事務局Eが個人的に盛大かつひっそりと応援しているIDEAプロジェクト。
IDEAと書いて「いであ」と読む50cm級の小型衛星で、ミッションは宇宙デブリ計測です。
プロジェクトHPには、デブリについての説明や花田俊也教授のコラムも掲載されていて、読み応え満点です。

九州大学工学部/大学院工学府 大学院工学研究院  http://www.eng.kyushu-u.ac.jp/


信州大学
「ぎんれい」プロジェクト
指導教員:中島 厚 特任教授

18回衛星設計コンテスト 電子情報通信学会賞 受賞
こもれび
受賞作品解析書→http://satcon.jp/history/prize18/pdf/18_06.pdfPDF

コンテスト実行委員会幹事委員をお務めいただいている中島先生主導のプロジェクト。
「ぎんれい」は世界初のLEDによる可視光通信衛星です。
2013年度にJAXAGPM主衛星の相乗りとして打上げ予定。

信州大学工学部電気電子工学科  http://ee.shinshu-u.ac.jp/


帝京大学
Teikyo-Sat3

18回衛星設計コンテスト 日本機械学会宇宙工学部門表彰フロンティアの部 受賞
微生物観察衛星~Teikyo Sat
受賞作品解析書→http://satcon.jp/history/prize18/pdf/18_04.pdfPDF

2013年度にJAXAGPM主衛星の相乗りとして打上げ予定の「Teikyo-Sat3」を開発中。
ミッションは「小型衛星での微生物の観察、その技術の獲得」というユニークなもの。

帝京大学理工学部航空宇宙工学科  http://www.ase.teikyo-u.ac.jp/


大阪府立大学
OPUSAT

14回衛星設計コンテスト 地球電磁気・地球惑星圏学会賞 受賞
小型宇宙天文台「完全星覇」
16回衛星設計コンテスト 地球電磁気・地球惑星圏学会賞 受賞
太陽極大期における放射線観測衛星「ソラマメ」
受賞作品解析書→http://satcon.jp/history/prize16/pdf/osakafudai.pdfPDF

OPUSATを開発する小型宇宙機システム研究センターでは「まいど1号」のシステム設計に携わったほか、CanSatや模擬衛星の設計などの活動を行っています。
OPUSAT2013年度にJAXAGPM主衛星の相乗りとして打上げ予定。
現在、OPUSATの愛称やマイクロフィルムメッセージを募集しています(2013/7/31締切)

大阪府立大学工学部/大学院工学研究科 http://www.eng.osakafu-u.ac.jp/


日本大学
SPROUT (SPace Research On Unique Technology)
指導教員:宮崎 康行 教授

14回衛星設計コンテスト 設計大賞 受賞
PRIMROSE
受賞作品解析書→http://satcon.jp/history/prize14/pdf/nichidai.pdfPDF

2013年度JAXAの地球観測衛星「だいち2号」の相乗りとして打上げ予定の「SPROUT」。
現在、マイクロフィルムメッセージを募集しています(2013/7/31締切)
http://sat.aero.cst.nihon-u.ac.jp/sprout/ TOPページよりご確認ください。

宮崎先生の著書「人工衛星をつくる」(オーム社/1,890円)は人工衛星開発を志す方必読!

日本大学理工学部航空宇宙工学科/大学院理工学研究科航空宇宙工学専攻


東北大学
RISING-2

14回衛星設計コンテスト 日本機械学会宇宙工学部門表彰フロンティアの部 受賞
LAIZIN
受賞作品解析書→http://satcon.jp/history/prize14/pdf/tohokudai.pdfPDF

2013年度JAXAの地球観測衛星「だいち2号」の相乗りとして打上げ予定の50kg級小型衛星。
2009123日に打ち上げられた「スプライト観測衛星(雷神 RISING)」の後継機にあたり、RISING-2自身も地球観測衛星です。

東北大学工学部/工学研究科  http://www.eng.tohoku.ac.jp/


九州工業大学
九州工業大学 衛星開発プロジェクト「鳳龍」
指導教員:趙 孟佑 教授

13回衛星設計コンテスト 電子情報通信学会賞 受賞
プラズマ監視衛星-PON de SAT-
(だいぶ前のため解析書が見つからず…)
13回衛星設計コンテスト 審査委員長特別賞 受賞
プロトタイプ無人実験システム衛星
(だいぶ前のため解析書が見つからず…)
20回衛星設計コンテスト 奨励賞 受賞
放電画像撮影衛星「鳳龍弐号-χ」
受賞作品解析書→http://satcon.jp/history/prize20/pdf/20_11.pdfPDF

鳳龍弐号は2011年度にJAXAの第一期水循環変動観測衛星「しずく」の相乗りとして打上げられ、世界初の300V発電に成功しました。
現在は残念ながら故障状態になってしまい、復活を待つ状態…

九州工業大学工学部/大学院工学府 http://www.tobata.kyutech.ac.jp/

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列挙するだけになってしまいましたが、大学で宇宙を学びたい!衛星を作りたい!と考えている高校生の皆さんの参考になれば嬉しいです。

十分気を付けてはおりますが、万が一掲載情報に誤りがある場合、お知らせいただけますと幸いです。
(事務局E

2013/02/04

コンテストへの応募~ジュニアの部

毎度、お久しぶりです。
この記事、本当は2012年内にアップしようと思っていたのにすっかり遅れてしまいました(´Д`;)ソーリー..
今日はジュニアの部への応募について、少し書きたいと思います。

1993年から始まった衛星設計コンテストですが、最初は設計の部・アイディアの部しかありませんでした。
今ではすっかりおなじみとなったジュニアの部が設立されたのは2005年の第13回大会です。
ジュニアの部はその名の通り高校生を対象にした部門で、宇宙に関する様々なアイデアを広く募集しています。

第13回でのジュニアの部応募は9作品。その後も毎年大体10作品前後の応募があります。
学校の課題としての応募、部活動としての応募、個人での応募、宇宙に興味のある仲間同士での応募…


宇宙や天文に興味がある、 という中学生・高校生の方は多いと思います。
「こういう衛星があったら…」「宇宙でこんなことできないかな?」そんなアイデアを持っている方もいるかも知れません。

ジュニアの部の審査のポイントは、募集要項等でも公開している通り、

(1)ミッションの意義・独創性・特色
(2)アイデア実現のための説明の明確さと正確さ
となります。
最終審査会に進んだ作品にはこれに(3)発表能力・態度も加わります。

ジュニアの部では、3ページ以内の「アイデア概要説明書」の提出が必須となっています。また、希望者はさらに3ページ以内の「アイデアに関する説明資料」を提出することも可能です。
概要説明書で説明しきれない部分、画像等を使って詳しく説明できるのがこの「アイデアに関する説明資料」で、これは特にフォーマットはありません。

しかしこれらについて、「どのぐらいのものが求められているのか?」というのはジュニアの部に限らず、参加者の方は皆さん疑問に思っていることでしょう。
そこで参考にしていただきたいのが過去作品です。

コンテストHPでは第14回以降の解析書等を公開していますので、是非ご覧ください。
http://www.satcon.jp/history/


第20回のジュニアの部作品については「アイデア概要説明書」「アイデアに関する説明資料」の両方を掲載しています(※一部作品を除く)。
それぞれのボリューム感や内容について、参考にしてみてください。

http://www.satcon.jp/history/list20.html


第21回の募集要項については3月上旬頃公開予定です。
参考:第20回大会応募書類→http://www.satcon.jp/contest/

(E)

衛星設計コンテストチラシ

手作りですが、いつでもコンテストの広報用に使えるように、ということでチラシを作りました。



PDF→https://docs.google.com/file/d/0B8Y-RgFkiWvyVnFTZll2T0twOHM/edit?usp=sharing

何かの機会に配ってくれる方には事務局からお送りします!